モンテッソーリとリトミックの共通点

京都女子大学4回生の津山さんは、モンテッソーリ教育とリトミックの共通点を卒業研究のテーマに選び研究しています。
共通点を研究する京女4回生の津山さん

京都女子大学教育学科で音楽教育を専攻する4回生の津山さん(仮名)が、教室に見学に来られました。

卒業研究として、モンテッソーリ教育とリトミックの共通部分について研究されています。現場を確認したいとWebで幼稚園や幼児教室を調査。

両方の教育を行っている幼児教室バンビー二クレアーレを見つけ、訪問のアポをされたとのこと。

幼稚園児クラスを最初から最後までじっくり見学されたあと、いろいろとお話をする中で、津山さんの新鮮な視点が大変勉強になりましたので、皆様にお伝えさせていただきます。

 

モンテッソーリ教育の感想

モンテッソーリの個別活動で、幼稚園児がポプリの制作活動を選んで、活動しています。
ポプリの製作を選んで活動

モンテッソーリ教育による個別活動について、感想をうかがいました。

 

(津山さん)

先生が生徒に1対1でお仕事の仕方を教えていました。

「こうしてみたらどう?」

と先生が確認しながらお仕事を進めていて、子どものしたいことが尊重されていると感じました。

子どもと教師のつながりがしっかり感じられていて良かったです。

モンテッソーリ教育を取り入れた保育園で教育実習を行う機会を持ちましたが、こちらと同じように先生が子どもと1対1のかかわりを大切にされていることにとても魅力を感じました。

 

(桐畑)

うれしい感想をいっぱいいただいて、ありがとうございます!

 

リトミックについての質問や感想

リトミックの活動で、幼稚園児が、数のついた星野プラカードを持って、ピアノに合わせてパフォーマンスの練習をしています。
数のついた星のプラカードでパフォーマンス

津山さんからいろいろと質問をいただきました。

 

(津山さん)

最初に生徒さんの名前をひとりひとり呼ぶのに音程をつけていましたが、どうしてですか?

 

(桐畑)音感を自然につけてもらおうと思って、名前に音程をつけています。

ハンドサインを使いながら、ドレミファソラシドの音程を出して、体の動きと合わせて音感を鍛えることも行っています。

 

(津山さん)

星のついたプラカードを使って、数を数えたり、みんなで動いたりしていましたが、どんな狙いがあるのですか?

 

(桐畑)

幼稚園になると子どもは数に興味を持つので、音符の長さとか拍子など、数の表現をきちんとするようにしています。

また、言葉やリズムを通して、複数のお友だちと活動するなど、いろいろ結びつけるようにしています。

11月末に専門家を呼んで人形劇を開催するのですが、その中で幼稚園児によるリトミックの発表を行ってもらおうと、その練習を兼ねていたところです。自信を持って表現できるようになってほしいと、人前に出る機会をなるべくつくるようにしています。

 

(津山さん)

音楽は、人の心を豊かにしてくれます。

また、子どもは体を動かすのが大好きです。

リトミックは音楽を聴いて体を動かすので、幼児にピッタリですね。

言葉で教えるのではなく、音楽を通して気づかせることを大切にしている点も魅力です。

 

モンテッソーリ教育とリトミックの共通点

リトミックで、幼稚園児が二人組になって、ピアノに合わせたボール活動を行っています。
二人組でピアノに合わせたボール活動

研究されている内容がぜひ知りたくて、共通点について教えていただきました。

 

(津山さん)

モンテッソーリ教育の創始者マリア・モンテッソーリと、リトミックの創始者ダルク・ローズは、生まれた年が一年しか違わないのです。

18世紀にルソーが著書「エミール」で、「子どもは小さな大人ではない」と書き、子どもは子どもの特性があり、その特性に合わせた教育の必要性を説きました。ルソーの「子どもの発見」は、当時過激思想として取り扱われていたのですが、19世紀に入り、ルソーの影響を受けた幼児教育がスイスで始まり、広がりを見せていました。

  • 子どもには子どもの特性があり、それに合わせた教育が必要
  • 子どもが自分で経験したり刺激を受けたことが人間性の成長を促す
  • 幼児教育は、早期教育ではなく、子どもの自発性が重要

マリア・モンテッソーリとダルク・ローズはこういった幼児教育の理念を共有していたのではないかと思います。

 

モンテッソーリ教育でイスに座って活動する時間、リトミックで音楽に合わせて体を動かす時間。どちらも

  • 自分を表現する
  • 自分のやりたいことをやる

この2点が大きな共通点だと、今日、あらためて感じました。

両方を取り入れることで相乗効果があるのではないかと思います。

 

私が見てきた幼児教育の現場でもよくリトミックを取り入れていましたが、即興演奏などはなく先生がピアノを楽譜通りに引いて音楽遊びをするという感じです。中には、リトミックの専門講師を招くところもありましたが、月に1回程度と回数が少なかったですね。

バンビー二クレアーレのように、毎週、本格的なリトミックをすることがやはり効果的ではないかと思います。

 

京都女子大学4回生の津山さんと話を進める中でモンテッソーリ教育とリトミックの共通点について理解が深まりました。
モンテッソーリ教育とリトミックについて理解が深まりました

 

モンテッソーリ教育とリトミックのルーツが、18世紀のルソーの「子どもの発見」にあるとは知りませんでした。

音楽専攻の津山さん

  • 音楽は心を豊かにする

と力強く語った姿が印象的でした。

音楽を深く愛し、信頼しているのですね。

新しい視点が大変刺激になり、勉強になりました。

幼児教育に対する共通認識がある中での話し合い。

本当に楽しく豊かに会話をさせていただきました。

モンテッソーリ教育とリトミックについて理解が一層深まっただけでなく、両方を取り入れた教育メソッドについて後押しをしていただきました。

津山さん、ありがとうございました。

来年は社会人デビューとのこと。

 

ご活躍を祈念しています。