子ども、大人、環境の3つが整って、初めてモンテッソーリ教育は成立すると言われています。
子どもの成長に向けて、大人ができることは何なのか‥
大人の役割について、あらためて考えてみました。
大人が手本を行動で示す
11月28日に開催した「0歳からのママと子どもの音楽会」。
演奏の途中で、ファルファーレの松村衣里さんから、保護者様に向けてこんなアドバイスをいただきました。
お子様に静かに聴いてほしいときに、口に手を当てて「シーッ」とやりがちですね。
でも、お子様は、お母様が「シーッ」と音を出したので、静かにしなくてもよいのだと思ってしまいます。
音を何も出さずに口に手をあてて、お子様に示してあげて下さい。
そして、静かに聴くお手本を大人が示してあげてくださいね。
お子様は、大人の行動をありのままに受け取ります。
してほしいことを、行動で示す必要があるのですね。
とても素敵なアドバイスをいただきました。
モンテッソーリ教育に必要な3つ
マリア・モンテッソーリは、子どもたちを観察する中で
「子どもには自ら成長しようとする力がある」
ということを発見しました。
しかし、子どもが育っていくためには、子どもだけではどのような方向に成長していけばよいのかわかりません。
子どものよりよい成長には、子どもに大人、そして環境の3つがうまく関わり合うことが大切です。
子ども、大人、環境の3者の関係を表したものは、「モンテッソーリの3角形」と呼ばれていますが、この3つが整って、初めてモンテッソーリ教育が成立します。
主体は自分の中に成長発達する力を持っている子ども。
大人ではありません。
学ぶことを決めてそれをやらせるのではなく、子どもから出てくる欲求に応えられるような環境を準備して子どもにまかせることが大人の役割になります。
子どもの発達に必要なものや場所を「環境」と呼びますが、子どもは自分で環境をつくったり選ぶことはできません。
そこで、私たちおとなが環境をつくることが必要になります。
環境ができあがったら、環境の中にあるものの使い方を実際にやってみせることが大切です。
モンテッソーリでは、「提示」とよんでいますが、これがおとなの子どもへのかかわりです。
大人は子どもの環境
実は、環境は2つあります。
- 物的な環境
- 人的な環境
人的な環境とは、私たち大人のことです。
3歳までの子どもは環境に関わりながら、無意識にどんどん吸収していきます。
大人のしぐさ、ふるまい、態度、言葉、会話‥
家庭でのお母様やお父様のすべてがお子様に吸収され、蓄積されていいきます。
お子様は、生活の中で、いつでもお母様やお父様から学び続けているのです。
フルファーレの松村さんから、
「大人が手本を示してあげて下さい」
とアドバイスをいただきましたが、こういう深いところを示されていたのだと思います。
「子どもの能力は、遺伝?それとも育て方?」
という話はよく出ますね。
「育て方」というと大人が主体の目線になりますので、「育ち方」と言い換えますね。
遺伝よりも育ち方(特に幼児の頃)の影響の方が大きいような感じもしてきませんか。
また、お子様が受け継いだ遺伝子は変えることはできませんが、育ち方は変えることができます。
大人が子どもにできることは次のようになります。
- 環境を整える
- 環境の中にあるものの使い方をやってみせる(提示)
- 環境として自分の行動や生活を整える(手本)
バンビーニクレアーレの講師も、自分自身が整った環境となるように心がけていきたいと思います。
ファルファーレの松村さんに大人の役割を見つめ直す機会をいただきました。
ありがとうございました。