コロナウィルスの感染防止に向けて小中学校や幼稚園の休校となる中、バンビー二クレアーレでも3月前半の2週間を臨時休校とさせていただきました。
お子様がご家庭で過ごす時間が増え、どうやって過ごしたらいいのかという問い合わせも頂戴しています。
実は、ご家庭では、お子様が夢中になる活動がいっぱいです。
外出のしづらい時は日常生活の練習をじっくり取り組んでみてはいかがでしょうか。
モンテッソーリ教育で取り組む日常生活の練習
幼児は、大人のすることにとても興味を持っています。大人と同じように活動したいのです。
モンテッソーリ教育では、大人が日常の生活で行っている活動や行動を人格形成に必要な作業と考えています。
実際の生活の中で秩序だった活動を行うことで、豊かな文化や洗練された生活習慣を身につけることができるようになります。
また、日常生活の活動では、手や指の微細運動、持ったり運ぶなどの粗大運動など成長に必要な運動が全部含まれているため、お子様の身体や知性の発達を促します。
次の4つの分野で、日常生活の練習に取り組んでいます。
- 基本的運動‥歩く、立つ、持つ、運ぶ、しぼる、折る、切る、貼る、縫う、つまむ、はさむなど
- 社交的ふるまい‥戸のあけしめ、あいさつ、感謝とおわび、返事、順番を待つなど
- 環境への配慮‥そうじ、洗濯、花の水切り、食卓の準備、食器洗い、小動物の世話など
- 自己への配慮‥衣服の着脱、靴をぬぐ・はく、手を洗う、服をたたむ・広げるなど
日常生活の練習に必要な道具や備品などの用具は、次のような配慮がされています。
- おもちゃでなく本物
- 子供用のサイズ
- 注意力を養うためにこわれやすく、形は単純で、よく似たものは材質や印で区別
- 使ってみたいと感じるように色や形、材質に工夫
やり方をして見せるときは、
- 大人の8倍の速さでゆっくりと行う
- 集中できるように、見せることと口での説明は別々に行う
ことがポイントです。
お子様は一生懸命にしようとします。
じっくりと見守ってあげてください。
「できない」
「どうしたらいいの?」
など助けてほしいサインがあったら、援助をしてください。
教室で行っている実際の活動からいくつか紹介をさせていただきます。
花を活ける活動
花を活ける活動は、
- 大好きな水に触れることができる
- 自分できれいな花を選ぶことができる
ことから、教室のお友だちがお気に入りの活動です。
準備するもの
- 花びん
- じょうご
- ピッチャー
- お花
- 花びん敷き
花びんやピッチャーは、子供が持ちやすいサイズにしてください。
お花は、花びんのサイズに合わせてあらかじめ切り、小さな器などに入れておいてください。
活動の流れ
- ピッチャーに水を汲む(教室では子供が使いやすい給水ポットを用意)
- 水がこぼれないようにじょうろを花びんの口にのせ、ピッチャーから水を注ぐ
- 花を選んで花びんに活ける
- 飾ってみたい場所に花びん敷きを敷いて飾る
教室では、2歳に入ると興味を持って取り組むようになります。
色とりどりの花を用意しておくと、好きな種類を選びます。
教室の机に飾って、満足そうに
「できた!」
と報告してくれます。
「教室がきれいになったね。ありがとう。」
感謝の気持ちを伝えると、心が通ってニッコリしてくれます。
テーブルを洗う活動
ブラシを使ってテーブルをごしごし洗う活動です。
手さきや腕をしっかり使うことができるので、教室のお友だちはは大好きです。
準備するもの
- ブラシ
- 石けん
- スポンジ
- 水をいれる容器
- ピッチャー
ブラシやスポンジ、容器、ピッチャーは子どもが扱いやすいサイズを選んでください。
活動の流れ
- ピッチャーに水をくむ
- ピッチャーから容器に水をそそぐ
- ブラシを少し水でぬらす
- ブラシに石けんをつける
- ブラシでテーブルをこすって洗う
- スポンジを水でぬらして固くしぼる
- スポンジでテーブルをふく
水気があったら台ふきなどを使ってもう一度拭くようにします。
ゴシゴシとこするとテーブルに上に泡が立ってきます。
こすると音が出るのも楽しいようです。
同じところも何回も洗ってくれるので、ピカピカになります。
人の役に立つことも感じてくれます。
日常生活で芽生える「誰かのために」の気持ち
2歳児(フィオーレクラス)のお母さまから
「おうちで楽しみながら活動できる遊びがなにかありませんか」
と問い合わせがありましたので、次のようにお答えいたしました。
お家での1日の生活をご一緒にさせてあげてください。
それが、楽しい遊びであり、学びになります。
掃除、洗濯、料理、身支度など、本物の活動が子どものいちばん興味ごとなので是非ご一緒にされてみてください。
- じゃがいもを洗ったり、レタスをちぎったり
- 机を拭いたり、掃除したり、ガラスを磨いたり
- 洗濯ものを干したり、畳んだり
- 植物の世話をしたり
- 石鹸で手を洗ったり
など、どうぞ参考にしてください。
そのあとのことです。
お母さまから次のようなご報告をいただきました。
子供が喜んでお手伝いしてくれました。
洗濯ものをたたむお仕事を手伝わせたところ、折り紙も上手にできるようになりびっくりしました。
何気ない日常生活の活動から、学ぶことができるのですね。
アドバイスをすぐに実践されて本当に素晴らしいです。
子供は大人が思っているよりも、よく理解をしていろいろなことができます。
お手伝いをすることで、周りの人が喜びます。
自分もうれしくなります。
「人のためにすることは、気持ちがいい」
人として、とても大切なことを学ぶ絶好の機会です。
ご家庭でのお子様と過ごす時間が多い時には、日常生活の練習にぜひ取り組んでみてくださいね。
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