2018年度が始まって5ヶ月がたちました。
入会されたお子様は、教室という慣れない環境でモンテッソーリ活動、リトミックといった経験のレッスンをスタート。
- どんな活動をしていいかわからない
- リトミックに入り込めない
- レッスンの時間が持たない
など戸惑われるお子様もいらっしゃいます。
レッスンを重ねるうちに、自分に合ったモンテッソーリの活動に出会います。
繰り返して取り組むうちに集中して活動。
できるようになったことで、達成感や満足感、自信がつきます。
他のお仕事にも積極的に取り組み、リトミックにも楽しく参加できるようになります。
モンテッソーリの活動の「お仕事」がお子様の成長をぐんぐん引き出すことに、いつもながら感動を覚えます。
大好きな車のお仕事に夢中
4月からステッラコースに参加された男のお子様(1歳児)です。
モンテッソーリの活動で見つけた車のお仕事。
やっぱり、男の子は車が好きなんですね。
種類の異なる4台のミニカーと、それぞれの車の大きな絵(表)と特徴(裏)の書いたカードがかごに入っています。
語彙を豊富にするため、名前を言います。
また、カードを机に並べて、一致するミニカーをカードと合わせます。
気になる車は、お母様にカードに書かれた特徴を読んでもらいます。
毎回、毎回、車の活動に夢中です。
ミニカーを手に取り、形状を確認し、カードの方に動かす。
何度も何度も繰り返します。
お仕事をしている様子をお母様は静かに見守って下さいました。
数ヶ月後。
他のお仕事にも幅をひろげて、ニコニコして取り組み始めました。
リトミックにも楽しく積極的に参加。
しっかり身体を動かしています。
色付き円柱の活動で「できた!」を体験
6月からステッラコースに参加された女のお子様(1歳児)です。
棚から気に入ったお仕事を選んでやってみるのですが、すぐに別のお仕事に目移り。
いろいろなお仕事をやってみるのですが、長続きしません。
「○○ちゃん、このお仕事はもういいの?」
と、お母様はお仕事の片付けが大変なご様子でした。
1ヶ月たちました。
2歳の誕生日を迎えて、感覚や身体がしっかり動きくようになってきました。
色付き円柱のお仕事に挑戦です。
色ごとに形状の変化の仕方が異なる4種類の円柱。
高さが同じで円の面積が変わる円柱を選び、大きい方を下に積み上げていきます。
慎重に最後の1本を置くと、高いタワーが完成!
「できたね!すごーい!」
のお母様の声に、お友だちはにっこり。
他の円柱も上手に積み上げました。
それからです。
ひとつひとつ、お仕事にじっくり取り組み始めました。
お仕事の片付けも自分でするようになりました。
ネジ回しの活動で「できた!」を体験
5月から幼稚園児クラスに参加した男のお子様(3歳児)です。
初めての場所は緊張するようで、お仕事に積極的に取り組めない様子でした
レッスンを重ねるうちに楽しくなってきたのでしょうか。
お仕事をしながら、お話をたくさんしてくれます。
お話に夢中で、お仕事がなかなか進みません。
リトミックは恥ずかしいようで、気乗りがしない感じでした。
ネジ回しの活動に取り組んでみました。
サイズの異なったいろいろなネジとそれぞれのネジに合わせてネジ穴が設けられた木版。
プラスのドライバーとマイナスのドライバーを使って、ネジを木版に取り付けていく活動です。
「これ、どうやってやるの?」
「どっち(のドライバー)を使うの?」
「わからない」
「むずかしいなー」
と言っているうちに、ひとつのネジを上手につけることができました。
「次はこれをやる」
と、次のネジを取り付け始めます。
お友だちのお気に入りのお仕事になりました。
8月のレッスンです。
黙々とネジ回しのお仕事。
集中する様子と、手のなめらかな動きにびっくりしました。
リトミックにも楽しそうに参加しました。
教室と家が離れているため、レッスンを見守りながら待たれているお母様もおられます。
そのお母様が、
「ずいぶん落ち着かれましたね。」
と感心されていました。
「活動のサイクル」で変わるお子様
- 落ち着かない
- 活動をしない
といった状態は「逸脱」と呼ばれています。
その原因は
- 精神的エネルギーと肉体的エネルギーが不一致な状態
にあると、考えられています。
「逸脱」というと大変なことに感じられるかもしれませんね。
どのお子様にも、多かれ少なかれ、「逸脱」の状態はあるとお考えください。
モンテッソーリ教育では、次のような「活動のサイクル」を重視しています。
- 自由に選ぶ
- 繰り返す
- 集中する
- 達成感をもって終える
この活動のサイクルを経験することで、精神エネルギーと肉体的エネルギーが統合され、
- 精神が安定
- 日常の行動が落ち着く
といったように、お子様が大きく変化します。
相良先生は、
- 「活動のサイクル」が子どもが変わるたったひとつの道
と、言い切っています。また、
- 幼児前期(0~3歳)と幼児後期(3~5歳)の間で2度チャンスがある
ともおっしゃっています。
教室のレッスンで、「お仕事」に集中することでお子様が大きな変化をする様子を目の当たりにしている私達は、相良先生の考えに納得。
「お仕事」が幼児期(0~5歳)のお子様の成長にとって本当に大事だと実感しています。
お子様の成長に必要な活動は、お子様ひとりひとりで違ってきます。
お子様の「活動のサイクル」を引き出すために、
- モンテッソーリの教具
- 日常生活の活動
- 独自のお仕事
など、いろいろなお仕事を教室に用意しています。
お子様の反応を見ながら、見直しをして、お子様が集中して取り組みたくなる「お仕事」を揃えるように努めていきたいと思います。