お子様の歩きたい気持ちに合わせて、「手押し車のおしごと」をつくりました
バンビーニの歩き始めたお友達は、幼児用のイスを押して歩くのが大好きです。
イスを持つことで、慣れない歩きも安定し、楽しくできるのですね。
そこで、そんなお友達のために、手作りの手押し車を作成して、「手押し車のおしごと」をつくってみました。
バンビーニのお友達はどんな反応をしてくれたでしょうか。
成長に必要な行動を自発的に行う幼児期
お子様はいろいろな動作(物を落とす、引っ張り出す、投げるなど)を繰り返して行うことがありますね。
大人からすれば、いたずらのように思えてしまいますが(汗)
子どもの立場から言うと、こういった動作を繰り返し行うことでその時期の自分の成長に必要な能力を発達させているのですね。
お子様自身に備わっている成長する力がこのような行動を促しているのです。
幼児期に発揮される「生命(いのち)」の素晴らしい力です!!
最近、バンビーニの歩き始めたお友達たちが、意気揚々と、幼児用のイスを押すのを見かけるようになりました。
歩くための筋肉やバランス感覚を成長させるために、どんどん歩きたい!
けれど、まだバランスがうまくとれず、早く歩くとバランスがくずれてしまう‥近くにあるイスの背もたれがちょうど良い高さ‥
よし、これを持ってみよう…
押したら、どんどん進む!
歩ける!
楽しい!
きっとこんな気持ちなのでしょうね。
歩きたい気持ちに応えて、「手押し車」づくり
お友達の歩きたい気持ちに応えて、手押し車をつくることにしました。
ぶつかっても安全、押しやすいように適度に軽くて、乗っても壊れないようにということで、ダンボールを選択。
1歳前後のお子様に合わせて、幅30㎝、奥行き40㎝、高さ25cm程度のサイズを選びました。
車のイメージができるようにダンボールの前をカット。
乗っても壊れないように、厚紙でしっかり補強しました。
色つきスポンジで車輪やヘッドランプを付けると、ぐっとカワイらしく気分が盛り上がります。
車の後部に幼児用のイズと同じぐらいのサイズの取っ手をつけてできあがり。
取っ手は手にやさしい木製の丸い棒。
実はすりこぎです(笑)。
木のしっかりした板とあわせて枠をつくり、車に組み込んでいます。
手づくりの手押し車で楽しく「おしごと」
さあ、教室に「手押し車」のデビューです。
子どもの活動は、子どもが成長するためにとても大事な活動。
子どもの「生命(いのち)」が促す大切な活動を、モンテッソーリ教育では「おしごと」と呼んでいます。
バンビーニのお友達が楽しみながら成長できるように、手押し車の「おしごと」を設定しました。
1.手押し車にぬいぐるみを載せて押す
乱暴に押したり動かしたりすると、ぬいぐるみが落ちてかわいそう。落とさないように丁寧に押してくださいね。
2.道路に沿って押す
他のお友達がいろいろな場所でおしごとをしています。決められた場所で楽しく走りましょう。
道路の先を見ながら上手に押しましょう。
道路の端まで行ったらUターンして戻ってきます。
上手にできますね。
3.順番を守って押す
手押し車は1台です。
他のお友達が手押し車でお仕事をしているのを見てしたくなったら、お友達がおしごとを終えるのを待ちましょう。
他にも待っているお友達がいたら順番を決めて待ちましょうね。
ステッラコースでは、歩き始めた1歳児のお友達がお母様と一緒に始めました。
慣れてきたら、自分でどんどん押して、上手に道路を押すことができました。お母様に手伝っていただいたりして、道路の端でUターン。
笑顔で戻ってきました。
2歳児のフィオーレコースでは、11時30分からのお弁当のあと、みんなで手押し車のリレーをしました。
道路の端と端にそれぞれ分かれて、リレー形式で手押し車をみんなで押します。
道路の端に着いてから、次のお友達に交代して→並んで待つというルールが複雑だったようですが、みんなは繰り返すうちに慣れて理解。
リレー形式で手押し車が道路をいったりきたり、疲れるぐらいにがんばりました。(笑)
目の前にいる子どもたちに合わせた成長への援助と工夫
手づくりのおしごとをつくるときには、使ってもらえるかなとドキドキしますが、こうして楽しく使っていただくとホッとします。
お子様の成長に少しでも役に立つことができたかな?と、とても嬉しい気持といっぱいです。
お子様の使っている様子を見ながら、「手押し車のおしごと」をバージョンアップしていきたいと思います。
モンテッソーリ教育では、形や使い方が決められた「教具」と、日常生活のトレーニングを行うためにそれぞれの国に合わせた「用具」を使って、おしごとをします。
また、それぞれの教育現場で、手押し車のような自作の「用具」も活用されています。
バンビーニのお友達の活動の様子をしっかり観察しながら、たのしみながら成長できる「用具」づくりに取り組んでいきたいと思います。
ぜひ、ご家庭でも「用具」を作って、お子様の成長の手助けをで楽しんでくださいね!